2/28(土)に『ポーズの定理』イラスト講座に参加してきたのでその記録です。
一番印象に残ったことは、人体を書く時はそのポーズのフェーズも意識する必要があると知れたことでした。それにより重心がどっちに向いているのか、重心の向く方向によって首や手首や胴体の捻りが生じ、それを描くことで固くならないリアリティのあるポーズに繋がります。 漫画を書く時なんかは特にこれを知っているか知らないかでだいぶ差が出そうな気がしました。
理論と実践で学ぶ「魅力的なポーズの描き方」 ~2時間でわかる【ポーズの定理】~|ライヴポケット
『ポーズの定理』とは
漫画家・篠房六郎先生の著書です。書籍自体はかな前にたまたまtwitterで知って、同人版を購入していたのですが、長くてなかなか読みきれず、前半軽く目を通して積んでしまっていました。オンライン講座は著者自らが2hにわたってポイントを紹介・解説してくれるとのことで、これはもう参加するしかない次第でした。
参加メモ
私が思い出す用です。
1. 基本手首は小指側に倒れる
- 壁に手をつくと腕は斜めに倒れる
- 足首も脱力すると内側にまがる。それによりくるぶしの位置が内側の方が高くなる
- 男女で傾向の違い(描き分けのポイント)
- 男子は膝もつま先も外向き。ひじは外側
- 女性は膝を正面に、つま先を内側に。ひじは内側に入る
2. 肩甲骨の動きで背骨も傾く
- 左右の肘の位置が上下に離れていると、体が傾く
- 両腕の内、肘の位置が後ろにある方に、背骨は傾きやすい
- ひねりの話
- かばんを持つサンプルと、合気道の動画で紹介
- 肘の位置と合わせて捻りも意識すると良い
3. 立ち直り反応
- 人がこけた時の動きのパターンの話
- 意識がある人は、頭が上がる。それに伴い上半身と肘もついてくる
- 意識がない人は頭が下に下がる
- 首を左右に振ったときに目線は水平にならない
- 左右に触れた時は顎が上がる。後頭部の重心に引っ張られるため
- 下にあるものを拾おうとする時、頭と体は垂直にならず、肩の低い方に向かって後頭部を倒す形になる
- 体制を斜めの状態で固定しようとした時、首だけ低い方に倒れ、後頭部の重心は上に向かって後頭部を残す形でバランスを保とうとする
- 肩と後頭部の位置の関係。首を描くときは首自体と頭の付け根の二か所で稼働を考えると良い
- 股関節に関して、軸足側の腰が上がる形になる
4. ABCパターン
良いとされるポーズは、基本的には以下のパターンになることが多い。
- A. モデル立ちの時は、肩と反対の腰が上がる
- B. 前屈みの時は、同じ側の肩と腰が上がる。(ヒーロー着地のような)
- 角度によって正中線が斜めなのに、真っ直ぐ見えてしまうことがある。
- 見分け方は、腰、腹がどちらに開いているのか。重心の向きが後ろか前かで、A.Bパターンを当てはめて逆算が可能になる
- C. A,Bの例外。片足で立った場合、腰は高い方に倒れ込む
- AとBの複合
- 美少女を描くときは基本CAパターンが良いらしい
公開添削
- 走っている人の絵
- 全力で走ると腕が開く
- 一番手足が振り切っているときは、宙に浮いている状態の時になる
- 背骨の剃り
- 手が後ろに振り切っている時、手は脱力状態になる
- 猫耳イラスト
- 篠房先生的にも結構難しいポーズだった。考えながら描いたこととしては、Aパターンだから上がる腰と手は反対の方向になるはず、など
- 前傾のポーズだったため、腰が見えにくい。そのため見えないから捨てるという判断をしたり
- 肘が内側に入っていると、手は小指側ではなく内側に向く
- Q&Aメモ
- ポーズの定理は手癖に陥らないようにするためのものでもある。定理に忠実に描くことにより一時期は硬くなることもあるが、覚えると描けるものの域が広がってくるはず。(守破離の守)
- 体の練習方法に関して、パーツを足していくのではなく、全体を割っていくように描くと、バランスよく描ける
- チェック項目としてポーズの定理がある
その他感想
開催はzoomで、進行はKADOKAWAの編集者の人が行う形でした。普段はIT系の勉強会くらいしか参加したことなかったので、進行が雰囲気や大分異なり、新鮮でした。 スライドは最小限で、アジェンダなどあるもののそこにきっちりと言うよりは、篠房先生のipadを黒板に、思いついた方向に話が進むことも多かったです。良くも悪くも緩い感じで。
同人版はpdfなのですが、ページ数多い割には目次などもないので読みづらく、講座の中で紹介されていた書籍版の中身は結構良い感じに見やすくまとまっていそうだったので、そのうち買い直そうかと思いました。